2008年07月03日

amazon.co.jpのコンビニ受取サービスは、第2、第3の倉庫化を生み出すのか?というか今までの倉庫化よりも更にやばい

amazon.co.jpが1日からスタートした『コンビニ受取サービス』、
これはamazon.co.jpで注文した商品をコンビニ(今のところローソンのみ)で受け取ることができるというサービスです。詳しくはアマゾンのヘルプに。
今までこのサービスを行っていたのはセブンアンドワイだけで、コンビニを運営している企業だからこそ出来る、セブンアンドワイの強みでした。

追記:楽天ブックスはファミリーマートでの受取が出来るようです。よって上記の一文は間違いです。お詫びして修正いたします。

今回amazon.co.jpがローソンと協力して同様のサービスを行うことを発表し、私が見る限り個人ニュースサイト界隈では「これで宅急便の時間を気にせずいつでも受け取ることが出来る」等と概ね好意的な反応でした。

しかしその後2ちゃんねるの様々なスレを見るにつれ、ニュースサイト管理人といういわゆる普通の人と、転売屋との思考の違いに一抹の不安を感じずにはいられませんでした。というのも



コンビニ受取なんていうのは転売屋にとって、ありがたい倉庫化の手段が一つ増えたということに他ならないからです。

一ヵ月半ほど前に倉庫化が云々であれほど騒いでいたにもかかわらず、今回はそういう話がほとんど出てきませんでした。2ちゃんねるの一部のスレを除いて。


言われてみれば簡単なことです。通常皆さんはamazon.co.jpで自分のために商品を購入することしかありませんから、そういう発想が浮かばないだけでしょう。それが普通です。


amazon.co.jpで『コンビニ受取』を選択し、支払方法に『代金引換』を選択する。
             ↓
その商品がコンビニに届き、10日以内に引き取りに来るよう、amazon.co.jpからメールが来る。
             ↓
数日様子を見て、ヤフオクやアマゾンユーズドストアの様子から転売できると判断したらコンビニに商品を取りに行く。転売が出来なさそうなら放置する。
             ↓
10日待っても受け取りが行われなかった場合、自動的にキャンセルとなり。amazon.co.jpに商品が返送される。


このやり方は、クレジットカードやコンビニ決済を利用した倉庫化と比べても、やばい匂いがプンプンします。

何がやばいのか。

それは倉庫になる場所がコンビニということです。

コンビニでバイトをしたことがある人や、セブンアンドワイでの買い物でコンビニ受け取りを選択したことのある人ならご存知でしょうが、コンビニにそのような荷物を置く場所がちゃんと確保されているのは稀です。大抵はレジの近くにある大き目の引き出しを一つ使用しているか、そこに入らない荷物は事務所、もしくはレジの足元に置いてあります。

一方転売屋としては、クレジットカードやコンビニ決済と比べて、非常に重要かつ有利な点が一つあります。それはお金を払った瞬間に手元に商品が存在するということです。商品を転売する際に重要となってくるものの一つに、時期というのがあります。商品の市場への流通を歪めて利ざやを稼ぐのですから、その商品が希少である必要がある、となると重要なのは、やはりその商品の発売日前後です。ものによっては一日二日で利益が出なくなる可能性もあります。特にゲーム等中古販売によって価格が下がりやすい商品ではそれが顕著です。

そのため転売屋はヤフオクの規約で禁止されている空売りを使って、発売日よりも前に商品を出品するわけですが、最も簡単で利益の出る『落札者にアマゾンから直送』というやり方は、納品書等が落札者へ行く+アマゾン直送ということが落札者に分かるため、落札者があまりいい気分がせず悪い評価を付けられるというリスクがあり、それを嫌がる転売屋は、一度自分経由で発送しようとします。

しかしクレジットカードやコンビニ決済を利用した倉庫化では、決済が終わってから発送準備に入るわけでですから、どうしてもタイムラグが生じます。特に東京在住ではない人の場合、Amazonプライムでお急ぎ便を利用しても到着に一日はかかるでしょう。自転車操業の場合、あらかじめアマゾンにお金を払ってこちらに送ってもらっておくというのも難しい場合があるでしょう。

それに比べてコンビニ受取ならば、お金を払った瞬間に商品が手に入ります。これを利用しない手は無いと考える転売屋がいても不思議ではないでしょう。



他社に迷惑がかかる事態になりかねない以上、何か問題があったときのamazon.co.jpの対応は早いでしょうが、もし近いうちに転売関係で祭りが起こった際、ローソンの店舗からamazon.co.jpのダンボールがあふれ出さないことを願うばかりです。